人工無脳は考える

人工無脳は気軽に「らしさ」を楽しめる、知能を持たない会話プログラムです。しかし人工無脳との会話はときとして、人工知能が持ち得なかった人間らしさ ― 即興、いたずら心、感情 ― を私たちに感じさせてくれます。

心が通い、和ませてくれるロボット。笑いやユーモアのセンス。それらは科学の知識だけで作り出せるのでしょうか?何でもありの人工無脳でそんなロマンを追い求めてゆきます。



夢みるプログラム ~人工無脳・チャットボットで考察する会話と心のアルゴリズム~

電子書籍「人工無脳と心のメカニズム」を大幅に加筆した紙版書籍がラトルズ社より出版されました。
posted 2016-08-22

Article

記述できない心を記述する
その1
2016-02-07
その2
2016-03-17
その3
2016-10-02
クラウド上での人工無脳の開発
その1
2016-10-22
NEW

明日の人工無脳を探して

一番簡単な人工無脳は、おはようと言われたらおはようございますと返事する、というオウムや九官鳥のような方法で会話します。

辞書にないことを言われたら~って何?と聞き返して返事を記憶します。次に同じことを言われたときは覚えた言葉で返事します。

日本語の意味が分かっているわけではありませんが、それっぽい返事をします。


ところが、この考え方で巨大な辞書を用意したとしても、それだけでは雑談が続くようにはなりません。雑談には小説のように必ず背景やストーリーがあり、話をする動機がありますが、辞書にはそれがないからです。


のちに雑談の会話ログを辞書代わりにした人工無脳も作られました。

それはあらかじめ記憶したチャットのログの行に似たことを言われたら、その次の行を返事として使うという方法で、かなり自然なやり取りもするようになりました。

しかし、これらの人工無脳でも相手との関係や気持ちによって内容を変えることはできませんでした。


ところが、例えば動物たちは日本語を使わなくても心の交流をしています。よい雑談をするには、もっと動物たちから学んだり、もっと心のメカニズムを探ったりする必要があるのではないでしょうか。「頭で」話す人工知能、「ハートで」通じる動物との交流。人工無脳がどちらも少しずつできるようになる。そんなやりかたもアリです。科学的か非科学的か、それは問題ではないのです。

この瞬間、人工無脳は学術的であることを止め、おもちゃの一種、トイプログラムになりました。しかし心理はもともと科学で全部は説明できていないもの。

それが、心の素直な姿ではないでしょうか。

2016-1-9

厳選おすすめ書籍

恋するプログラム―Rubyでつくる人工無脳 (Mynavi Advanced Library) 人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書) 人工知能のための哲学塾

「人工無脳は考える」書籍ご案内

著者: 加藤真一 / 価格:2,376円(本体2,200円+税) / 出版: (株)ラトルズ (2016-08-25)

A5 184ページ / ISBN: 978-4-89977-454-9

話し相手になる機械、心を持った人工物。その登場を人類は古代から絶えることなく渇望してきました。コンピュータと人工知能の技術が進むにつれ、それらはいよいよ現実になるかと人々を熱狂させています。しかし、これまでのところ人工知能の研究は、心を持ち人間と交流できる存在を生み出せてはいません。 本書は、99年に「人工無脳は考える」という考察サイトを立ち上げ、以来17年に亘り ユーザーと雑談するという複雑な精神活動を極めて単純なアルゴリズムで実現しようとする“人工無脳”の研究に取り組んできた著者による、科学・非科学の壁に囚われる ことなく想像力豊かに、人とコンピュータとの会話について考察する書籍です。

本書では、簡単なPerlプログラミングを習得した読者を対象に、人工無脳の歴史と日本語の人工無脳で代表的な辞書型人工無脳とログ型人工無脳のアルゴリズムを分かりやすく説明した後、どのようにして人工無脳の会話の質を高めるかを、実際に人工無脳を改良しながら検証していきます。最終章では行動心理学を最初の足がかりとして、初期の仏教や潜在意識の世界に踏み込み、心のメカニズムについて述べた知見を 紹介。それらを人工無脳的に解釈し、システムを考えた最初のステップも紹介します。

Chapter 1 深くて広い人工無脳研究の世界
1.1 人工無脳は言葉とハートを少しずつ
1.2 会話の相手になる機械
1.3 科学と非科学の間に立つ人工無脳研究
1.4 本書の構成
Chapter 2 歴史
2.1 概説
2.2 汎用コンピュータの時代(1950-1980年)
2.3 スタンドアロンPCの時代(1980-1995年近傍)
2.4 ネットワーク化の時代(1995-2005年近傍)
2.5 SNS・クラウドの時代(2004-2010)
2.6 人工知能技術商業化の時代(2011~)
Chapter 3 開発環境と日本語対応
3.1 Cygwinとperlのインストール
3.2 apacheの設定
3.3 PerlでのUTF-8対応
3.4 正規表現
Chapter 4 人工無脳を作る
4.1 STAGE1:基本の人工無脳
4.2 STAGE2:雑談のスタンス
4.3 STAGE3:エピソード記憶の再生
4.4 エピソード記憶の再現
Chapter 5 心のかけら
5.1 行動心理学者たちの心のモデル
5.2 2500年間生き残ってきた心のモデル
5.3 恐れと愛と

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AUTHOR

工学博士
加藤真一(しまりす)

高校時代にPC-9801上で動く人工無脳に出会い、面白さとともに限界を感じる。

大学時代に「人工無脳は考える」を立ち上げ考察を試みるもほとんどなすすべなし。 その後、40代ごろから人の深層心理を学ぶ機会を得る。さらに様々な人間関係を見つめなおす経験を経て、すべては人工無脳研究の糧であったと考えるようになる。

大学では化学・無機材料系を専攻し博士号を取得。現在株式会社村田製作所勤務。

業務は人工無脳と全く関係ない。

skato21r@iris.eonet.ne.jp