2002/11/20
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日常的に行なわれる一対一の会話と多対多の会話を思い浮かべてみると、それらははまったく異なる構造をもっていることに気がつく。会議の場では議長は他者の発言を促しつつ会議の目的を達成しなければならない。逆に普通の参加者であれば自分が指名されない限り一度も発言しないこともあるし、あまりつまらない質問は控えようと考えることもある。多対多の雑談の中では一人の話し手と多数の聞き手という構成をとることが多く、発言する頻度や内容の重要度も異なる。要するに、人工無脳は会話の中で主役に回るか、脇役に回るかを選択しなければならない。
ユーザは多数か一人か、人工無脳は一人か多数か、また人工無脳は主役か脇役かといった場合わけを考えると、会話はいくつかに分類できる。これらについて検討しよう。
ユーザは多数、人工無脳は一名で主役 街角占い師や教壇の先生のモデルである。ユーザが脇役に甘んじている間はうまく回るが、気付かれた場合は別の会話形式に移行しなければならないだろう。一般のユーザはこのような形式で会話することを想定していないので、充分な導入が必要である。
ユーザは多数、人工無脳は一名で脇役 uzaraなどが採用しているモデルで、人工無脳はたまにユーザの会話にコメントをはさむ。会話の流れをあまり把握する必要が無く口数が少ないため、比較的作りやすい。一対一用に作った人工無脳を転用することができる。
ユーザは多数、人工無脳は多数で脇役基本的にはユーザ同士の会話をあまり遮らない。人工無脳は騒がしい外野として彼ら同志の間で勝手に何かしゃべり、勝手に納得している。
ユーザは一名、人工無脳は多数で主役/脇役 藤野などによって提唱されているモデルで、ユーザは不思議の国のアリスにおけるアリスの役、人工無脳は狂った登場人物たちの役である。この世界では人工無脳の狂った会話こそが「正しく」、ユーザの普通の言葉は異端視される。ユーザにとって意味のわからない会話でも、人工無脳同士が納得していればユーザはそういうものなんだと解釈させられてしまう。偽春菜の会話をさらに拡張したモデルと考えることもできる。