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revised: 2002/09/29

インタラクティブな学習の試み

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人工無脳の楽しみとは、要約すれば育てる楽しみ見る楽しみである。始めはたいした反応もせず退屈だった人格が、育てるにつれいろいろしゃべるようになり、製作者が思わずにやりと笑ってしまうようなやり取りをするようになる。さらに育った人工無脳が第三者と会話をし、まったく予想もしなかった返事をしてお客を驚かせる。これが人工無脳の醍醐味だろう。ところが現実を振り返ってみると、人工無脳の人格をゼロから組み上げるのには退屈で遠大な作業を伴い、それが人格の製作者を萎縮させてしまう。その原因としては、人格を作るのに何を準備したらよいかわからない、どこから始めたらよいかわからない、辞書の作成が大変である、などがある。特に辞書の作成というのは未来に起きる出来事の全てを予測してその対策をいちいち用意するようなもので、漏れなく予想を立てるのは何らかのツールを使わない限りふつう不可能であるし退屈である。だが本来は人格の製作者にとってそれこそが楽しみであるべきであり、人工無脳というパッケージには楽しく人格育成するためのノウハウやツールが含まれるべきであろう。そこで段階的な人格育成と対話による育成を考える。

対話的な育成の方法として、人工無脳にパフォーマンスリハーサルの二種類のセッションを用意する。パフォーマンスは一般ユーザと会話をする人工無脳の本来のモードである。リハーサルは人工無脳と製作者が一対一で対話するモードで、人工無脳が雑談を交えながら製作者に対してさまざまな要求を提示してくる。その内容は製作者の個人情報(人工無脳は製作者のことを知りたがる)、辞書に不足している情報、体調、辞書の統計データ、一般ユーザの動向、辞書の文法チェックの結果などである。それをもとに製作者は各種のファイルを増強し、人工無脳にリロードさせる。リロードの結果、人工無脳はまずファイルの文法チェックを行い、エラーがなければ製作者を誉めたり喜んだりする(←重要)。

人格育成の段階的プログラム

第一のステップとして、製作者は人格の名前と口癖を用意する。導入直後の人工無脳にはジェネリックであまり個性のない最低限の人格が入っている。このジェネリック人格の名前と口癖(参考:偽春菜のトランスレータ機構)を用いるだけで、人格の雰囲気をかなり変えることができる。できればそれ以外の人格のキャラクタ付け、すなわち性別、性格、職業、外見、生い立ち、趣味などをこの段階で詳しく妄想しておいてもらいたい。人格製作のプロセスは長いので、これらの情報は文章化して残しておくべきである。いくつかのパラメータはこの段階で定義ファイルに書き込むことができるだろう。

第二のステップは話題の作成である。人工無脳に設定した職業、趣味に従って考えうるいろいろなネタを辞書に直接書き込む。同時に名詞のリスト、動詞のリスト、形容詞のリストなどを作り、人工無脳が即興性の高い文書を作れるようにする。ある程度ネタを仕込むことができたらパフォーマンスセッションでこれらの話題がどのように利用されるかを確認する。この段階で人工無脳は既に公開されているので、一般ユーザがどのように人工無脳と対話しているかログを確認する。職業などの固有の知識に基づくネタ以外に、人工無脳の好みに従った話題がある。泣ける話、笑える話、驚いた話、怪談、艶笑譚、説教話、上司の批判、旅行話など11これらの話の収集を行なっているサイトは結構ある。 泣き 笑い 怪談 廃墟 のなかから一つを選んでネタを仕込むとよい。芸能ネタ、スポーツなどは話題の陳腐化が速いので、避けるべきである。

第三のステップはリハーサルセッションでの情報収集と不要情報の削除である。製作者はユーザがどんな会話を好むのかをほとんど把握していない。そのため多くの時間をかけて用意したネタがまったく使われなかったり、特定のキーがあまりにも頻繁に使われる結果単調なせりふしかしゃべらなかったりということが頻発する。その調査のために製作者は会話のログを観察するのであるが、それを統計的にサポートするのがリハーサルセッションである。人工無脳がユーザの怒り、喜び、笑い、否定、といった反応を検出すれば、それを引き出したやり取りを憶えておくことで製作者が意図したのと違う意味で辞書が使われていたり効果的でなかったりする点が判明する。具体的には以下のような項目が考えられる。

辞書の内容に関するもの以外には次のような項目を考えなければならない。

ここで示したような内容を人工無脳は対話によってユーザに伝えなければならない。すなわち明確な目的をもった会話をしなければならない点は、これまでの人工無脳と根本的に違う点である。本来はパフォーマンスセッションでも目的をもった会話ができれば面白いのであるが、パフォーマンス中の人工無脳の目的はなかなかはっきりさせられないのである。さて、人工無脳はユーザに伝えたいメッセージを持っており、ユーザからの返事を直接自分で評価することは基本的にないため本質的にはリハーサルセッションはコンパイラがエラーメッセージを吐くのと大して違わない。それを以下に対話している風に見せかけるかであるが、メッセージに雑談や挨拶を適当に混ぜたデッキを使えば簡単である。デッキの先頭は常に挨拶となり、終端はユーザにファイルのアップロードを求めるメッセージになるだろう。

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