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我々の心は常に変化を求めて活動する機関である。しかも同じ漢字を繰り返し書いていると飽きるといった短周期的なものから、職場や学校でのルーチーンな作業、ルーチーンな毎日、ルーチーンな人生などかなり長周期的なものにわたって変化がないとやっていけない。牢獄とはおそらく変化を与えないための施設なのだろうし、心理学者たちの行なう感覚遮断実験11手足にギプスをした被験者を無音、無臭の暗闇に閉じ込めて栄養は点滴で与えて身動きさせないで放置すると何日でヤバくなるか、という実験もそれを示しているといえるだろう。そして変化が感じられないというが人工無脳の弱点の本質である。「せりふを一通り見たら終わり」という感想がそれを端的にものがたる。そこで、本セッションでは単調さをいかに回避するかということを念頭において人工知能にまつわる技術をながめ、考え方のヒントにしよう。
「心の変化」といえばまず感情を思い浮かべるのではないだろうか。人の場合、毎日同じような質問をしても返ってくる返事はそのときの気分や体調によって変化する。そして気分や体調は、他者とのインタラクション,気候,仕事などさまざまな要因によって影響され、それがある程度の期間持続すると考えるのが自然である。また感情の起伏とは言っても良いとか悪いとか、一次元的に示されるようなものではなく、喜怒哀楽のようないくつかのパラメータの組み合わせで示すほうが実際の感情をよく表すことができる。最近はAIBOなどの影響もあって人工知能業界でも感情に関する研究が注目されている22日本ファジィ学会誌12[5] (2000)などに特集が組まれている。
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| Fig. 1a. Wundtのモデル | Fig. 1b. Plutchikのモデル |
そこでこれらのモデルを参考に会話中心の人工無脳に特化した感情を考えてみよう。日頃会話をしていて相手からダイレクトに伝わってくる感情を思い浮かべてみると実は Fig. 1b のそれとオーバーラップするところが大きいかもしれないが、憎悪、激怒、悲嘆といったネガティブな感情は、人を楽しませることを使命とする人工無脳からは意図的に外すべきだと思われる。また好感度はギャルゲーなどで効果がその実証されているように、単純でありながら人と人との関係を示す重要なパラメータといえるので、人工無脳でも使える技術だと思われる。さて人工無脳の感情を考えるときに重要なのは発生した感情によってどのように挙動を変えるかである。
つづく update:01/09/14
メモ
ひとつには上機嫌なときと機嫌の悪いときで別々に辞書を用意する
例えば我々は空腹なときには食事の話に対して敏感に強く応答し、満腹であれば無関心であるかむしろ拒絶するだろう。元気なときには楽しい話でも落ち込んでいるときには心に届かないだろう。